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相続放棄と単純承認、法定単純承認|相続放棄の基礎知識

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相続の単純承認・相続の法定単純承認

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相続の単純承認とは

被相続人の権利義務を無限に承認する

相続の単純承認とは、被相続人の権利義務を無限に承継する意思表示をいいます。

単純承認をすると、被相続人のプラスの財産(現金、預貯金、不動産、有価証券など)だけでなく、マイナスの財産(負債)も引き継ぐことになります。被相続人のマイナスの財産がプラスの財産より多い場合には、受け継いだプラスの財産からだけでなく自分の財産から弁済しなければならなくなります。

単純承認をする前に被相続人の財産を調査し、負債が多い場合には限定承認相続放棄を選択することを検討する必要があります。

単純承認するという明確な意思表示をしなくても、相続財産の処分など一定の行為をした場合には、単純承認をしたものとみなされることがあります(法定単純承認といいます)。

相続の単純承認

相続の法定単純承認とは

相続を単純承認したとみなされる場合

相続が開始したとき、相続人は相続を承認(単純承認)するか、限定承認するか、放棄するかを選択しなければなりません。

単純承認とは、相続人が被相続人の財産を無限に相続する意思表示のことをいいますが、一定の事情がある場合にはこのような意思表示がなくても単純承認したものとみなされることがあります。これを法定単純承認といいます。

法定単純承認にあたる事由については、民法921条で次のとおり定められています。

相続人が相続財産の全部または一部を処分した場合

相続財産の全部または一部を処分することは、相続人がその財産を取得したことが前提となりますから、相続を単純承認したものとみなされます(民法921条1号)。

ここでいう処分とは、相続財産の売却、贈与、債権の取立てのほか、財産を損壊、廃棄することなども含まれます。

ただし、財産的価値のない動産の形見分けなどであれば、ここでいう相続財産の処分には当たらないと言われています。

相続人が相続開始を知った時から3か月以内に相続放棄または限定承認の手続きをしなかった場合

相続の限定承認や放棄は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内にしなければなりません。この期間を経過すると、限定承認も放棄もできなくなります。

相続については、単純承認、限定承認、放棄のいずれかを選択しなければなりませんから、期間内に限定承認も放棄もせず、限定承認・放棄ができなくなった場合には、単純承認をしたものとみなされるのです(民法921条2号)。

相続人が相続財産の全部または一部を隠匿、私にこれを消費し、又は悪意でこれを財産目録中に記載しなかったとき

相続人が限定承認や相続放棄をした後に、相続財産の隠匿・消費、悪意で相続財産を相続財産目録に記載しなかったとき(これらをあわせて背信行為といいます)、単純承認したものとみなされます(民法921条3号本文)。

限定承認をした相続人には、自己の財産と同一の注意をもって相続財産の管理をすることが求められており(民法926条1項)、相続放棄をした相続人も、放棄によって新たに相続人になった者が相続財産の管理をすることができるようになるまでの間、自己の財産と同一の注意をもってその財産を管理することが求められています(民法940条1項)。

それにもかかわらず、民放921条3号所定の背信行為を行った者には、もはや限定承認や相続放棄の効果を与えるのは相当ではないという理由で、背信行為をすると限定承認や相続放棄の効果を認めず、単純承認したものとみなすことにしたのです。

民法921条3号ただし書きが有り

その相続人が放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない

と定めています。

「この限りでない」というのは、単純承認したものとはみなさない、ということです。

相続放棄に関する法律「民法921条3号」の但し書き

単純承認したものとはみなさない具体例を挙げて説明しましょう。

親A、子B、孫Cという家族でBがなくなった場合、Cが第一順位の相続人であり、Cが相続放棄をした場合、第二順位のAが相続人となります。

Cが相続放棄をした後に相続財産の隠匿などの配信行為をした場合、民法921条3号本文によれば相続放棄の効果は認められず、Cは単純承認したものとみなされることになります。

ところが、Cが相続放棄をした後にAが相続の承認をした場合、Aは自らが相続人になることを期待しており、Aには何らの落ち度もない以上、この期待は法的に保護すべきものと考えられます。

にもかかわらず、Aが相続を承認した後にCが背信行為をした場合にまでCが単純承認したものとみなす(言い換えればCが相続人となる)とすると、Aの期待を裏切ることになってしまいます。

そこで、民法921条3号ただし書きは、このような場合には単純承認したものとはみなさないことにしたのです。